ねじまき日記

つか、だれか巻いてくれ、おいらのねじ。

あんたは誰でどこからきたの。

そりゃ、自分でまいた種だろ?と言われるくらい、そして、まかぬ種は生えぬというくらい、種をまけば芽がでるのはこの世の必定。

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しかし、この三尺ささげのグリーンカーテンプランターで、あたりまえの顔をして、どーんと育っているこいつは誰だ。おいらがまいたのは嫋やかなささげだから俺の種ではないわけだけど(おい)、立派な立ち姿のこいつがだれかを知りたいがために、抜けずにいる。

鳥が運んできたのかもしれない。おいしくてめずらしい西洋野菜ができたらどうしよう(嬉)


脱線するが、須磨海浜水族園の園長だった方でウミガメ研究の第一人者である亀崎 直樹さんがラジオで話していた、忘れられない話がある。
少ししか子を産まない動物の子育てに、愛はあっても夢はない。自分と同じ顔をした子供を、おいらたちは愛してやまないけれども、自分の遺伝子とは異世界の、例えばこいつはオリンピック陸上男子100mで金メダルとれるかも、とかヴィクトリアズシークレットの表紙を飾るトップモデルになれるかもと、本気で思えるかどうかというと、正直なところそれはない。
そして、数千の卵を産む生き物には、夢はあっても愛がない。命のさだめで数えるほどしか生き残らないとしても、そいつらはそれなりの運と遺伝子をもって、親よりもはるかに大きく強く幸せに生きていくかもしれない。どこか遠い海でもしであっても、あ、おいらの子だ、とはわからないけれど。

そういう点で、種まきは愛も夢もある、かな?(いきなりちっちぇな)


さて、おいらんちのグリーンカーテンは三尺ささげである。
何年か前、つるは3mくらいは軽くいくよ、といいながら出荷仲間さんが種をくれたのだが、そんな支柱建てられる気がしなかったこともあり、その年はグリーンカーテンの深型コンテナのすみっこにまいたら、つるはベランダを通りこして二階の屋根まで届きて、柔らかな葉を豊かに茂らせた。茂らせながら、50センチはある細くて長い長いさやを、そのてっぺんから盛大にぶら下げ、吹く風にざらんざらんと楽し気にゆれた。
涼し気でさわやかだとおもったら、「けごんの滝」という名前だった。なるほど。

漫然と育てていた日本朝顔グリーンカーテンは、よく考えたら毎年暑すぎてグリーンカーテンになる前に枯れていたし、暑さに強い西洋朝顔は、蔦のように丈夫なものの、ごわごわと覆いかぶさる様子が廃墟っぽくて好きになれなかった。ゴーヤは涼し気な葉の形がいい感じだけど、あの実は誰も食べない。山の芋も畑で育てるよりずいぶん簡単にいい感じにできるけれど、プランター栽培となると一番大きなプランターでも土中の水分量が安定せず、肌の汚い芋しか取れなかった。

三尺ささげ以外によかったものは、ドリチョスラブラブルビームーンという、マゼンダピンクの華やかな花がもりもり咲く豆の仲間だ。月夜にお仕置きしにでてきそうな名前だが、なかなか乙女っぽくて花系のグリーンカーテンにおすすめである。
秋にちいさな飴玉くらいのビーチボールのような実が電飾のように連なる、おきなわすずめうりというのも、実系のカーテンではかわいらしくていい。

梅雨の間なら、けごんの滝とドリチョスは間に合うかもしれないから、軽く紹介。



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今週のお題「私の好きなアイス」
アイスの実

ムカデに噛まれてやってみた

草刈りをしてたらマムシがでるし、出荷準備のカートを持ち上げたらムカデがいる。やつらから不意打ちをくらうたび、梅雨だなあとしみじみ思う今日この頃。

 

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ツタンカーメン。こういうのが畑にあると楽しい。

 

話をもどそう。

マムシは、遭遇した瞬間にもう迷わず草刈り機でちょちょーんと切ってしまうのでへび類をあんまり怖いと思ったことはない。
ヘビというと、この春はサル除けにゴム製の真っ黒な蛇、マムシのおもちゃを4つほど買って、さっきのエンドウ豆、ツタンカーメンやソラマメの畑に転がして置いたら、夫が草刈りの最中に見つけて、悲鳴をあげながらずたずたに切ってしまった。
夫は蛇がことのほか嫌いなんである。

ヤフオクの売り上げで買ったので、どうということはないけれど、やっぱりちょっとがっかりしながら、切れ端をぶらぶらさせながら持って帰ってたら、途中いろんな人が飛びのいた。

ごめんごめん。


で、ムカデのほうなんだけど、ネットで検索したらでてくるあれ。
噛まれたら、熱めのお湯に傷口を痛みがなくなるまでつけておけという、あれをやってみたら、ほんとうに痛くなかったので、その報告。

 

おいらの右手を噛んだカートの下にいたムカデを、長靴でずーりずりに踏みつぶして溜飲を下げてから、台所で食器用の洗い桶に、熱めのお風呂のくらいの湯を漲って、小一時間ひたすらじっとひたすと、みるみるうちに痛みが消えていく。

毒を湯で洗い流すわけじゃなくて、熱で無毒化?するだけなので、湯を源泉かけ流しにしなくても、冷めてきたら熱いのを足せばいい。
間違っても、冷やしてはいけない。


熱で毒を消してしまう作戦は、やぶ蚊だのぶゆだのにもきく。コーヒーカップに湯をいれて、あちっあちっとかいいながら刺されたところにあてる。
うっかり夕方まで畑にいて、悲しいくらい刺されまくったときなんかは
熱めの風呂にはいってかゆいのをなくしてから、ごはんの用意だ。

ぜひ試してみて。

今週のお題「傘」

田舎は自家用車で目的地の入り口付近までいけるので、使わなくなりました。

そのぶん合羽はやたら使うので、パイナップル柄のかわいいやつです。

バジルの種まき

高いところを飛ぶ飛行機の音と思ったのは、遠雷だった。
今日の畑仕事は、雷さまがいってしまうまでお休みだ。やっほう。
ゴールデンウィークと書いて、田植え休みと読むのが農家で、
この時期はあまりに疲れすぎて眠れないとこまでいく。

そういうと、世界中がコロナで息をひそめるようになってから
高い空をご機嫌に延びていく飛行機雲を見かけなくなった。
あんなに飛んで、よくぶつからないもんだねってくらい
縦横無尽にひかれる雲の線だらけだった夕空は
きれいなまんま静かに静かに暮れていく。

なんだか人類滅亡もののSFみたいだ。

 

 

ホーリーバジルの芽だしに失敗した。自分でもびっくり。
ハーブの多くは雑草の逞しさがあるから適当に蒔いたんだけど
雑草なればこそ、湿潤な環境と光がないと発芽しない用心深いやつだったらしい。
畑はほうっておくと草だらけになるが、刈草を被せておくと雑草はあまり生えない。暗いと、今ここで芽を出しても生きられないと判断して、雌伏を決め込むんじゃないかと思う。したたかだな。

湿潤な環境のほうは、種を水につけてから蒔けというのがあった。
殻が固い種子でする方法だから、なあにいってんだか、と半信半疑でやってみたら、ひっくり返るほど驚いた。

水につけて数分で、種からぶわっと寒天質の被膜がでたんであるよ。
おまえ、生きてんのか(そうだよ)

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バジルシードっていうダイエット飲料があるけど、あれだ。
バジルの種を水に浸しただけのものらしい。

カエルの卵は見慣れているので、この姿形がというのじゃなく、

この変貌ぶりに、やっぱり植物はうす気味悪いとこあるよなと思う。

 

今週のお題「カメラロールから1枚」

バジルシード

犬も歩けば鳥も歩く

ラクターで代かきをした直後は濁っているけれど
静かに泥は沈殿して、トロトロの層をつくる。
水の下に、雪が降り積もるかんじ。

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泥が沈んで水底がよく見えるようになると
サギが飛んで来ては、静かに歩きまわる。
用水路から流れ込んだ小さな魚や蛙を捕るんである。

足跡を追うとたまにぐしゃぐしゃになってるところがあって
ははあここで喰ったな、とわかるんだけど
それも、静かに揺らめく水にじきにかき消されてしまう。
命が生まれるのも消えるのも、あぶくのような出来事。


そういうと冬の朝、新雪の上にペタペタ足跡がついていることがある。
というか、むしろないことがないくらいで
まあたいてい、小さなセキレイが目一杯歩きまわっている。
なんで何にもない雪の上なんか歩くのか、
セキレイに聞いてみないとわからないけど、
やつらはちょっと面白いところがあるから、
真顔で、楽しいからに決まってるでしょ、というような気がしてならない。

今週のお題「激レア体験」
早朝に運転してたら、
目の前を熊がすたこら横断しました。
というのが、うちらへんではあまりレアではないというレア。

山仕事

タケノコ掘りのついでに竹林の整備。
田植え前にすませる大事な作業である。
鍬と竹鋸、鉈を軽トラに積んでお山へいくぜ。

 

昨年の山行きでは、豪雨で山道があちこち崩れていたうえ、たどり着いたらタケノコは猪に食べ尽くされてしまったあとだった。
掘り返された竹林は、雪の重みで折れた竹が無数に倒れかかっているという惨澹たるありさまだ。異常気象の年だったから、まあそれくらい猪も飢えておったということか。崩れかけの山道を用心しながら、軽トラで何回も往復して折れた竹や木の枝を運び出し、疲れきって怒りのお焚きあげをしたら、大きな紅蓮のキャンプファイアー状態になった。すまん。

 

そんな去年とはうってかわって、今年はたくさんタケノコがとれたし、雪折れの竹も数本きりだった。暖冬に寒い春と、なんだか締まりなく、ぬるぬると季節が変わってきたせいかもしれない。
ともかく、楽勝で体力気力ともに余裕があったので、いろいろ採集することができた。

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青竹と藤の弦。
竹は並べてしゅろ縄で結わえて、井戸の蓋にする。
弦はリースの材料。

 

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わらび。

 

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マムシグサと樒、山椒。
マムシグサがほの暗い木陰にすっと立ち上がっていると、ちょっとぎょっとする。食べると毒だというのもあって、おそるおそる切ってみたら、とても繊細でやわらかな美女だった。よく似た花姿でも、カラーのほうがよほど無骨だ。

 

 

お題「#おうち時間

農作業かなあ。

触れてはいけない、洗ってもいけない

コロナの話じゃなく。
そして、自分のための備忘録。

唐辛子と名がつくものを触った手で、鼻とかさわってはいけない。
さわってしまって、ひりひり痛くなったら
水で洗ってはいけない。よけいひどくなるから。

ひりひりの原因、カプサイシンは油に溶けるので
ヒトの油脂に近いオリーブオイルをぬりたくって
柔らかいティッシュペーパーで優しく拭き取って
ぬりたくって拭き取って、というのを数回やる。
ぬってるあいだはひりひりがましになる。
乳液やクリームだと、混ぜ物があるせいか効果は薄い気がする。
ゴマ油やサラダ油だと、美味しい匂いがして、
自分のやってることに泣きたくなるから、できればやめた方がいい。
もしかしたら、グリセリンなんかでもいいのかもしれないが
実証はしていない。

それから、石鹸をしっかり泡立ててぬるま湯で洗い流す。
ひりひりはずいぶんましになっている、はず。

 

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実は、ハバネロジョロキアの種まきを
ゴム手にマスク、ゴーグルといったコロナ戦並みの武装でやったあと
写真の花唐辛子の種とりをした。
このままドライにしたので、鷹の爪みたいにカラカラの実になってて、
名探偵ポワロのDVD みながら、素手でやってしもうたんであるよ。
ご丁寧にもワタを爪でしごいてまでして大量の種をとったあと、
垂れてきた鼻水(汚)をゴシゴシして、あっと思ったが
時すでに遅く、顔の下半分が唐辛子の逆鱗に触れてしまった。痛い痛い。

初めて道の駅で売ってたジョロキアの実から種をとったときは、まだ唐辛子とはどういうものがわかっていなかったから、熱い痛いでのたうち回った。
ホントに死ぬかと思った。
そんでそいつを育てて収穫しに畑にはいったら、そこにおるだけで顔も手も痛かった。
100円ショップのうっすいうっすいガーデニング用手袋なんざ
カプサイシンの前では、紙マスクかお鍋のフタかという程度の防御力だ。

 

なめてかかれば火傷をするとはこのことだ。

 

今週のお題「オンライン」

ネット環境が悪いと、おいらの稼業はたちいかないですが。

 

虫の知らせと昨日の世界

コロナの感染が拡大するにつれ、それがもたらす経済的なダメージについての報道が増えてきている。

 
今週の初めに株、ドル円とも急落して、先物やってる人がずいぶんと振り落とされた日があった。
その日の朝、おいらはほんとにいつも通りに目が覚めたんだけど、目が覚めたとたんに、きちんと整理された旅館の朝のような気持ちよさがするっと入り込んできた。

もちろん、おいらの家は片付いてなどいない。

「ああ、やっぱり掃除せなあかんな。」

という猛烈な焦りのような衝動が涌いてきてたものの、あまりに唐突な衝動がしっくりこなかったので、布団になかでその出どころをつらつら思い返していると、視界に一瞬真っ赤な何かが飛び込んできた。ぎょっとして見直すと、衣桁に掛けたまんまになってるワンピースだ。その黒い色を、おいらの脳が一瞬だけ赤く認識したらしい。
脳みそはたまに思い違いや見間違いをするけど、ここまで思い当たる節のない誤作動は珍しい。

 

一瞬でなんだか嫌な気分になった。
ああ、今日はなにかがある。

 

「何か」がドル円の暴落のことだとは思いが至らず、というのは半分嘘で、欲にかられて気持ち悪いなと思いながらも少し取引をしたので、逃げ遅れこそしなかったものの、ちょっと火傷をした。
火傷をして反省した。これだったか。くだんのデザイナーを紹介されたとき、そしてそのデザイナーが同じような笑い方のコンサルを連れてきたとき、あの時もなんの理由もないのに、おいらはなんとも言えない嫌な気分に襲われたではないか。

 

おいらたちは無数の判断をしながら暮らしていて、その大半は無意識で行われているという。その無意識の判断が、可否の基準としているのは、自分自身の過去の経験や知識だけでなく、有形無形でご先祖さまから伝わる何か、よく言われるところの虫の知らせだ。まずいときは、どちらからも危険信号はあがるけれど、後者は無視しがちだし、結果がよりひどいことになりがちなのも後者だ。

気を付けよう。

 

その翌日、元町から野菜の集荷に来てくれるスタッフの女の子から、神戸港クルーズの会社がコロナ倒産したことをきいた
集荷仲間の見学旅行に行ったときに、うちの御大がお舟に乗りたい乗りたいとうるさいので、みんなで乗ったのがクルーズ船コンチェルト号である。
乗ってしまえばやっぱり楽しくて、みんな御大以上にはしゃぎまくっていたんだっけ。

それももう一昨年の話だし、船上でニコニコしてた御大は、現在大病を得て療養中だ。

いつでも見えていたコンチェルト号の姿が神戸の街から消えて、なんだか知らない街になっちゃったみたいです、と野菜のコンテナを積みながら彼女はため息をついた。

どうしてこんなことになってしまったんでしょう。

 

で、どうしてこんなことに、って書いて思い出した本がある。

昨日の世界 <1><2>』 ステファン・ツヴァイク著 (みすず書房
時代は第一次大戦後から第二次大戦勃発直後、欧州を焦土にした大戦で、伝統に裏打ちされた麗しい世界がいかに息絶えていったかを克明記録した回顧録だ。

ナチズムの台頭にツヴァイクアメリカに亡命する。亡命先のこととて、資料を持たぬままこれほどの喪失の記録を書き上げてのち、彼は奥さんと心中してしまうので、焦土の先の話はない。
ひるがえって今のところ世界中が苦しんでいるのは、拡大する感染と経済的な疲弊だ。戦争には至ってはいないが、ツヴァイクが絶望したマンハッタンのバラ色の夕焼けのすぐ隣においらたちは今いるのかもしれない。笑い話になればいいのだけれど。

地域の図書館にもあると思うのでぜひ。図書館が所蔵してなかったら、リクエストして買ってもらおう。図書館の蔵書の質は、市民が鍛え上げるものだから。

 

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今週のお題「卒業」】

もう10日の蟄居を余儀なくされて、小学校の卒業式も危ぶまれている。切ないことだ。